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~立科町のリンゴに惚れた男~ 移住、研修、収穫までのドキュメント vol.10

みなさんこんにちは!
この連載では、立科町に移住しリンゴ畑を借りた
地域おこし協力隊の1年間をリアルタイムで発信していきます。vol.9はこちら

うれしい反面、反省も…

 リンゴ農家の秋は、まさしく繁忙期です。早めに収穫する品種の収穫量はわずかですが、「紅玉」と「シナノドルチェ」「シナノスイート」「シナノゴールド」を町の直売所に出してきました。一方、同時進行でメーン品種の「フジ」は葉摘み作業中です。
 おかげさまで出荷したリンゴは予想以上に買っていただけたので、なんとなく「農家になったやんなぁ」と実感できる気もしますが、そんなに甘いものではないのも分かっています。

こちらは "ぐんま名月”

 その「フジ」は実も大きく育ち、10月下旬には朝の気温が1~3度に下がり、日中は汗ばむような気温の寒暖差となるなどリンゴの味をよくし、赤くするには最適の状態になっています。しかし…。 果樹はたくさん実がつけばいいわけではありません。もちろん木が持つ力によるところもありますが、枝に対する適正個数が生育状況に影響します。 そう、確かに「なり過ぎ」なのです。枝の内側にまで、リンゴの実がびっしり。まさにぎゅうぎゅう詰め、満員電車のようです。味への影響もあるでしょうし、ぶつかりあって傷になることもあります。 

ぎゅうぎゅうづめの "フジ"

 昨年の研修中、何度も「大きくなった実をイメージしながら摘果しないとだめだよ」と指導されていました。分かってはいるんですよ、言葉では。 「たわわ」を通り越して、「なり過ぎ」の状況を目の当たりにすると、実感をもって指導中の言葉が理解できます。原因は明確です。もっと大胆な摘果が必要でした。
 研修させていただいた農事法人では、いろいろな木を見てたくさんの作業をするため、定点観測で木の状態を把握することができませんでした。今年は自分の畑ですから、「どの木にどの程度手をかけた」のか分かっています。きちんと整理されている木もありますが、特に仕上げ摘果を怠った木は「なり過ぎ」でした。やはり経験は大事。「来年はあの枝を切らなアカンな」とか「摘果はしっかりやらなダメや」と次をみすえて作業の日々です。

持ちつ持たれつ

 忙しい時期ではありますが、10月は同じ地域おこし協力隊の永田賢一郎さん、秋山晃士さんが実施中の「空き家DIY」に参加しました(DIYの様子はこちら)。舞台となる教員住宅は、実は私が昨年の9月まで住んでいた家なのです。
 もともとDIYは好きで、いずれ自分の家も手に入れて改修することも念頭にあるので勉強になりますし、作業を円滑に進めるために手伝ってもいます。同時に、他の参加者とも親しくなる機会もあり、11月の収穫時期にボランティアで参加していただける大学生のグループにも出会えたので、忙しい時間をさいて参加した意義はありました。
 秋山さんは先日、奥さんを連れて畑に遊びに来てくれました。葉摘み作業を少し手伝ってくれて、お礼にリンゴをプレゼントすると「美味しい!」と喜んでくれる姿をみると、こちらもうれしくなります。その秋山さんには、「DIYのお返しに収穫は手伝ってや」としっかりお願いしてありますので、これも「持ちつ持たれつ」ということで。

秋山隊員と奥さん

いよいよ収穫へ

  11月に入ると、いよいよフジの収穫が始まります。しかし、現時点でどの程度の収穫量になるのか正直なところ分かりません。収穫コンテナは1箱でおよそ約20キロ、これが何個になるのか、それをどう売っていくのか。人手が必要なのは間違いないので、大学生や他の協力隊の仲間、他にもお手伝いしていただける方は大歓迎です。
 オーナー制で買っていただけた木も40本まで増えました。収穫作業をしながら、オーナーのお客様もお迎えしなければなりません。
まだまだやることは山積みですが、リンゴが立派に育ち、赤く色づいているのを見ると、意欲がわいてきます。まずは収穫を終えるまで、突っ走っていきまっせ!
 
 
                               つづく


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