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空き家DIY in 立科町2022 ワークショップ【第3回左官】

立科町では初となる「空き家DIYワークショップ」が行われています(12月2日まで計5回、8日間)。主催する地域おこし協力隊の永田賢一郎さん、秋山晃士さんは建築家。その資格と経験をフルに生かした改修作業にくわえ業者による工事を経て、かつて教職員住宅として使われていた家が来春には移住者向け住宅に生まれ変わる予定です。第3回左官編の模様をリポートします。第1回解体、第2回断熱の様子はこちら。

(立科町企画課 池田 知穂)

【第3回 左官ワークショップ】(10月28日、10月29日)

DIYにもさまざまな工程がありますが、やはり関心の高さでは「左官」ではないでしょうか? 今回のワークショップでは、県内の左官職人さんをスペシャル講師としてお招きしました。田中良太郎さんはFRP防水などでも高い技術を誇る一級技能士、宮下健一さんは一級左官技能士で職業訓練校の指導員も務める“スゴ腕”のお2人です。

本格的な左官は粉末と水を練り混ぜて使いますが、配合や攪拌にも熟練の技が必要です。そこで職人さんからも薦められたのが、すでにペースト状になっていて開封後はそのまま塗れる便利な塗料。ホームセンターでも買えるので、まさにDIYにうってつけです。

コテの扱いを指導する田中さん
宮下さん(左)のコテさばきを食い入るように見つめる参加者

「塗る前にしっかり養生をして、塗らない場所を保護することがきれいに仕上げる秘訣」
田中さんと宮下さんが最初に説明したのは、梁や塗らない面を保護する養生の大切さです。マスキングテープやマスカーを貼っていくのは地味な作業ですが、これが出来上がりに大きく影響するわけですから手抜きはできません。

テープと保護ビニールが一体となったマスカーで建具を保護

塗る場所は廊下と四畳半の壁。和室から洋室に衣替えする部屋は、ピンクに近く明るいテラコッタを選びました。職人さんがコテを使う様子を見ていると簡単に見える作業ですが、未経験者はなかなか思い通りにいきません。ムラができたり、床にこぼれたり…。改めて職人さんの"技"のすごさを実感する場面です。

思ったより滑らかにいかないコテの扱いに苦戦する参加者の皆さん

玄関を入ってすぐの壁と廊下は、清潔感のあるホワイトに。壁面にパターンをつけるためコテで工夫するほか、刷毛を使って波のような模様を描いていきます。職人さんの指導のおかげで、作業するにつれ参加者の皆さんも上達し、壁は綺麗に仕上がっていきました。

刷毛でパターンつけ
before(石膏ボード取り付け途中)
after(テラコッタ)
before(解体ワークショップでクロスをはがしました)
after(ホワイト)

第3回のワークショップも町内外から延べ21人に参加していただきました。
「自室のDIYで漆喰を塗ったことがあり、今回はまた違った塗料の左官を体験できて勉強になった」というのは県内の別の自治体で活躍する地域おこし協力隊の参加者。「難しい作業でしたが、いい経験になりました」「プロの技術の高さを知ることができた」と参加者の皆さんも壁塗りを直接教えていただきながら、気になることはどんどん質問するなどレアな機会を楽しんでいただけようです。

壁塗りに使用した塗料は、混ぜる手間がなく職人さんもオススメ

一方、ご指導いただいた田中さんは「まずは皆さんに楽しんでいただけたことが何よりです。私自身もワークショップは初めてで、こちらもいい経験をさせてもらいました」と話し、宮下さんも「ぜひ覚えたことを実践してもらえたらうれしい」と感想を口にしていました。

ご参加くださった皆さん、そして貴重な時間をくださった職人さんには改めて感謝いたします。ありがとうございました!

* * *

さて、ここでちょっと裏舞台をばらしてしまいましょう。実は左官のワークショップに向け、地域おこし協力隊の永田、秋山両隊員は大忙しでした。
前回、床の下地組みと同時に壁の準備まで進めるはずでしたが、床の仕上げタイムオーバー。2週間の猶予はあったとはいえ、左官作業までに壁が仕上がっていないことには始まりません。本来業務もあるなか、ウィークデーは暗くなるまで石膏ボードの設置やパテを盛る作業を続け、当日の午前中まで突貫作業で仕上げ、まさにギリギリ間に合ったというのが実情です。

石膏ボードを切る秋山隊員
下地を切る永田隊員

「いろいろ予定通りにはいかないですね。今回ばかりは田中さん、宮下さんに来ていただいて本当に助かりました。われわれだけでは、これほどスムースには進まなかった」と秋山隊員。一番感謝していたのは、協力隊だったかもしれません。

1日目集合写真
2日目集合写真

次回は11月11日、外構ワークショップでウッドデッキを作製します。
参加枠は埋まってしまいましたが、見学は自由です。
ご興味のある方は立科町公式ホームページの「旅する移住」を確認ください。



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