~立科町のリンゴに惚れた男~ 移住、研修、収穫までのドキュメント vol.5
みなさんこんにちは!
この連載では、立科町に移住しリンゴ畑を借りた
地域おこし協力隊の1年間をリアルタイムで発信していきます。vol.4はこちら
初夏は作業も本格化
初夏のような陽射しとともに、リンゴの木はどんどん生気を増してきています。剪定というより伐採に近いくらい枝を切り落としたときは「ホンマに大丈夫やろか?」と心配したものの、自然は私の心配など及ばない力を持っているようです。
前回、花がたくさんついた喜びをお伝えしましたが、今は葉が想像以上に生い茂りリンゴ畑らしくなってきました。もちろん、地面にはたくさんの草も生えてきます。通称ビーバー(某社の登録商標のようですが)、あるいは刈り払い機という草刈り機を使って2人がかりで約3時間もすれば園地はサッパリ! まあ、シーズン中はあと数回の草刈りは必要なのですが…。
摘果作業
さて、収穫をひとつの区切りとすれば、剪定→摘花ときて、いよいよ摘果という作業に入っています。それまでを準備段階とすれば収穫を見据えた本格的な作業の始まり。より美味しく、より大きくて美しいリンゴのためには最も大事で骨の折れる仕事といえるかもしれません。何しろ、これと思う実1つを選択し、選果バサミという先端の細いハサミを使って1つずつ落としていくわけで、すべて手作業。本当に大変です。最終的には仕上げの摘果をしなければなりませんが、少しでも作業を楽にするためには実が育った姿を想像しながら「この枝なら〇個つけよう」とイメージしながらハサミを入れていきます。
ただ、ずらりと並ぶリンゴの木を眺め、「いつ終わるんかな?」なんて心が折れそうになるときも正直あります。とはいえ、やらないと終わりません。気合入れていきましょう
頼もしいしい助っ人
昨年は、立科町だけでなく長野県内のほとんどのリンゴ農家が霜の被害にあいました。つまり、通常の状況をまだ知らないのです。そんなとき、指南役となってくれる方がいます。
この畑で長年手伝いをされているナカジマさんは、シルバー人材センターから派遣され、唯一、事情を知る人物です。なにしろどのような実がどのくらい成っていたのか分かりません。もちろん、今年も手伝いをお願いしました。
「よくここまで切ったね。去年に比べると実も大きいし、きっといいリンゴができるよ」
剪定の結果もほめていただいて、少しホッとしました。
こうした経験は、新人農家には何よりの教科書です。作業や育成の進め方は研修していきましたが、畑によって状況は違います。
これからも頼りにしてまっせ!
ご褒美その2
前回はアスパラが畑で採れた話をしましたが、もっとうれしいご褒美があります。なんと、プルーンの木も植えられているのです。
大阪に長いこと住んでいましたが生のプルーンにお目にかかったのは昨年、立科町に来て初めて。瓶詰のシロップ漬けしか知りませんでしたが、生のプルーンの甘くてみずみずしい味は初体験にして鮮烈。まさか、あの味が自分の畑にあるなんて!
とはいえ浮かれてばかりもいられません。
「摘果はいつ終わるんやろ」「また草刈りせなあかんな」
新人農家には問題山積の夏がやってきます。
引き続き、「リンゴの生育に興味がある」「いつかは就農したいという」という方がいらっしゃれば、立科町の「ふるさと交流館芦田宿」(0267-78-5645)にご連絡いただければ幸いです。