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~立科町のリンゴに惚れた男~ 移住、研修、収穫までのドキュメント vol.3

みなさんこんにちは!
この連載では、立科町に移住しリンゴ畑を借りた
地域おこし協力隊の1年間をリアルタイムで発信していきます。vol.2はこちら

剪定作業完了

4月に入ってからのポカポカ陽気は、本来なら心も弾むところ。しかし、気温の上昇にあおられているような思いでした。
なにしろ、3月中旬から始まった剪定は、予想を超える大変さ。同期の協力隊の手も借りて、剪定…というより伐採がようやく終わったのは4月12日。
気が付けば、リンゴのつぼみは今にも花を咲かせそうなくらい膨らんでいたのです。

「何とか間に合った。これでやっとスタート地点に立ったかな」
これが偽らざる本心です。

リンゴの実が成った姿をイメージし、どうすれば作業性がいいだろうか…。あれこれ頭を悩ませ、落とした枝が山のように積まれた光景を見て「ホンマに大丈夫か?」と不安に思ったこともあります。
日々の肉体労働で全身が筋肉痛。しかも毎日の剪定ばさみの使用によって、リンゴ農家の職業病ともいうべき腱鞘炎になっていました。朝は中指と薬指が伸びない“バネ指”に苦しみながら目を覚ますのです。
それでも、初めて自らの手で仕上げた畑は感慨深いものでした。生気を感じなかった木々が緑のつぼみをたくさんつけ、生き生きとしてきた姿に「なかなかリンゴ畑らしくなったやないか」と自画自賛したくなりました。

剪定作業が完了したリンゴ畑

不安な日々

とはいえ、安心などしていられません。
作業を終えて帰り支度をはじめたころ、
「あすの朝は気温の低下により、霜の恐れがあります。農家の皆さんは注意してください」
という町の農林係の無情な有線放送が響きました。

その後も数度、新人農家を不安にさせる放送が流れ、朝になって車をみるとうっすらと霜がおりているときも。まだまだビクビクとしながら、落ち着かない日が続きます。
なにしろ、昨年は気温が高い4月、早々に花が咲いたところに、まさかの凍霜害。立科町はもちろん、県内のリンゴ農家さんたちは想像以上に大きな被害を受けていたからです。とにかく、ゴールデンウイークが終わるころまでは油断できないし、祈るしかありません。

昨年の霜被害による影響

防霜ファン

幸いにもお借りした畑には、防霜ファンが設置されています。ご存じのとおり冷たい空気は重く下にたまるので、これをファンで風を送り滞留を防ぐ仕組みです。設定した気温で稼働することも確認できたので、とにかく霜の被害だけは避けなければと願うばかり。

防霜ファン稼働確認

リンゴの蕾

一斉に白い花を咲かせるリンゴ畑の壮観な景色は次回以降にお伝えできると思いますが、実は咲く前の花が赤いのはご存じでしょうか。
私も昨年着任したのは5月なので、実は咲く直前の花を見たのは初めて。なんだか、秋に収穫される真っ赤なリンゴを思わせ嬉しくなりました。

リンゴの蕾

次はいよいよ、花を摘む作業が始まります。
リンゴ農家が忙しくなるのはこれからや。頑張りますよ~!


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